![]() |
【未使用】【中古】 もしも月がなかったら—ありえたかもしれない地球への10の旅
|
★★★★
もし○○○だったら、というアプローチの仕方がとても面白かった★
科学にはそういう考え方や学び方もあるんだと知ったことが、この本を読んでまず一番の収穫だった。
色々な初期条件からそれぞれのマクロな動きを予想するという作業は、とても大変な作業だろう。でも想像力を掻き立てられるだろうし、とても刺激的な気がする。
ゲームのシム・シティとかやってる感覚にちょっと似てるかもね。
やっぱシム・アースって、もしかしたらまさにこの本のような感じなんだろうか。やったことは無いけど。
他でも、初期条件を変えることで様々な変化を楽しむゲームなら、この本の思考実験と似ている部分が多いかもしれない。昔のライフゲームとかはその基本だと思うし。
シナリオがはじめから決められているゲームでは味わえない楽しさがある。
応用編でも、今では実際に太陽系や銀河系の生い立ちをスーパーコンピューターで再現されつつあるみたいだし★ あと、地球シミュレーターとか。
この本にあるような思考実験って、きっとこういうシミューレーションの基本的な考え方として、生かされてきたのかもしれない。
また、どんなに条件を同じにしても毎回同じ生命体に進化するとは限らない、みたいなことが、冒頭に断わりとして書かれていた。やはり、マクロなレベルではある程度は予想できても、細かいところになってくると、やはりカオスの領域ということになるんだなあ。
現実のオゾン層の問題にも触れられていた。
発行が1999年だから、10年以上経った今ではどうなっているのかと思って、今調べてみた。
そうしたら、フロンやハロンは、日本では今ではけっこう規制されているみたい。でも開発途上国については2030年までに全廃すべしとのこと・・・。ということは、まだまだなのかな・・・。
フロンは空気中に放たれてからオゾン層に到達するまで、100年くらいかかることもあるというのに。
ということは、少なくともあと120年くらいは安心できないということか・・。
監修が今は亡き竹内均氏で、雑誌ニュートンの元編集長。この人の名前があったので、きっと面白いんだろうなと思ってたら、実際に面白かった。
翻訳本かつ科学的な文章なので、慣れるまでやや読みにくいと感じる部分があり、全体を読むのにもやたらと時間がかかった。